結論から言うと、2倍耐震は標準仕様の耐震等級3をさらに超える耐震性能を、間取りの自由度を多少犠牲にしてでも確保したい人に向けたオプションです。
東日本大震災や熊本地震クラスの巨大地震、あるいは都市部で想定される直下型地震の激しい揺れに対して、建物の倒壊リスクをより低く抑える効果が見込めます。家族の命と住宅という資産を守る「保険」として、約10万円の追加費用に見合うかどうか──ここが判断の分かれ目です。
一方で、導入には慎重な検討も必要です。追加費用に加え、地震保険料の支払いが条件になる場合があること、そして何より間取りへの影響が見逃せません。
耐震性を高めるために壁倍率の高い耐力壁やタレ壁の配置が増え、広いLDKなどの大空間で開放感が損なわれるケースがあるからです。

これらは構造計算によって配置が決まるため、後から外すことはできません。

思い描いていた開放的なリビングに、こうしたタレ壁が入る可能性がある点は、事前に理解しておくべきポイントです。

こうした背景を踏まえ、2倍耐震を採用する際の注意点を6つに整理しました。
- 有料オプションで10万円前後かかる
- 間取り設計の制限・規制が増える
- 2倍耐震にできるのは「2×6工法」のみ
- 地震保険への加入が必須となる
- 30年長期保証の延長が必須となる
- 「耐震等級5」と「耐震等級5相当」は違う
これらの制約で設計の自由度が下がる点は、明確なデメリットと言えるでしょう。
もしこの制約が許容できず「いらない」と判断するなら、代替案として「住友林業」や「ヘーベルハウス」の検討をおすすめします。両社とも許容応力度計算などの構造計算に基づく独自工法を採用しており、高い耐震性能と間取りの自由度を両立しているためです。

住友林業は太い柱で強度を確保する「ビッグフレーム構法」、ヘーベルハウスは重量鉄骨に地震エネルギーを吸収する「制震ダンパー(制震)」を組み合わせた構造。どちらも開放的な大空間と耐震性能を同時に実現できる工法です。

「大手ハウスメーカーは予算オーバーになるのでは」と感じるかもしれませんが、規格住宅を選べば費用を抑えられるケースもあります。比較しないまま契約して「もっと開放的な間取りにできたのに」と後悔するのが、最も避けたいパターン。少なくとも5社前後は比較してみてください。
効率的に情報収集したい場合は、住宅展示場に足を運ぶのも手ですが、忙しい方には タウンライフ家づくり が便利です。スマホから希望条件を入力するだけで、複数の優良メーカーへ一括で間取りや見積もりの作成を依頼できます。

タウンライフ家づくりで届いた「間取り・見積書・建築模型」
上記は、実際に私が条件を指定して作成してもらったプランの実例です。わずかな入力時間でこれだけ具体的な提案書が届くので、検討材料として活用する価値は十分あるでしょう。
>>> 住宅メーカーから専用プランを取り寄せ【無料です】当ブログの管理人


一条工務店の2倍耐震「4つの特徴」

まず最初に、一条工務店が誇る『2倍耐震の4つの特徴』について解説します。
「標準仕様でも十分強いのに、わざわざ2倍にする必要があるの?」
そんな疑問を持つ方も多いはずです。しかし、内容を知ればその重要性が深く理解できるでしょう。
2倍耐震を一言で説明すると、建築基準法で定められた強度の2倍を確保し、地震に対する不安を徹底的に解消するオプションです。
一条工務店の家は、標準仕様でも「耐震等級3」(基準の1.5倍)をクリアしており、十分に地震に強いと言えます。
しかし、このオプションを採用することで、さらにその上を行く「耐震等級5相当」(基準の2倍)という、異次元の強さを手に入れることができるのです。
私たちは「東日本大震災」や「熊本地震」といった未曾有の災害を経験し、いつどこで巨大地震が起きてもおかしくない状況で暮らしています。
だからこそ、将来予測される「直下型地震」などの激しい「揺れ」に対し、単に「倒壊」を防ぐだけでなく、大切な家族と資産を守り抜く住まいを選ぶことは、家づくりの大前提と言えるでしょう。
通常の「耐震等級3」を遥かに凌ぐ性能は、緻密な「構造計算」によって裏付けられています。

その1:「耐震等級5相当」で地震に強く、安心の住まい

一条工務店の2倍耐震、1つ目の特徴は『「耐震等級5相当」で地震に強く、安心の住まいが建てられる』ことです。
そもそも「2倍耐震」とは、建築基準法の最低ラインである耐震等級1と比較して、文字通り「2倍」の強さを持つ住まいのことを指します。
この強さの違いを図解すると、以下のようになります。

- 耐震等級1 = 1倍(基準値)
→ 震度6強~7で倒壊しない最低基準 - 耐震等級2 = 1.25倍
→ 避難所(学校等)と同等の強度 - 耐震等級3 = 1.5倍(一条の標準)
→ 消防署等の防災拠点と同等の強度 - 耐震等級5相当 = 2倍
→ 上記を遥かに上回る強度
「なぜ、そこまで強い家が建てられるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
その理由は、2倍耐震で採用される「ミッドプライウォール」という壁にあります。これは商業施設や大型施設でも使われる、非常に強度の高い耐力壁なんです。
実際、このミッドプライウォールは、以下の画像のような「5階建ての老人ホーム」など、大規模な木造建築物でも採用されている実績があります。

5階建ての巨大な施設を支えるほどの強度を持つ壁を使って、2階建ての家を建てる。
そう考えると、安全率が飛躍的に高まるのも納得ですよね。
想定外の「揺れ」が起きても、この圧倒的な強さなら、家の「倒壊」を防ぎ、家族の命を守り抜いてくれるはずです。
その2:大地震でもタイル外壁・クロスが破損しない

一条工務店の2倍耐震、2つ目の特徴は『大地震でもタイル外壁・クロスが破損しない強靭な住まい』です。
その理由はシンプルで、大地震が起きても家が歪まないほど、圧倒的に耐震性が高いからです。
例えば、一般的な「耐震等級3」と、今回の「耐震等級5相当」で、もし大地震が起きたら被害にどんな差が出るのか?
比較すると以下の通りです。
- 耐震等級3
家は倒壊しない、外壁・壁紙は破損するリスクがある - 耐震等級5相当
家は倒壊しない、外壁・壁紙すらも破損しない(推測)
「家が潰れなければいい」と思いがちですが、もしタイル外壁や室内のクロス(壁紙)がバキバキに割れてしまったらどうでしょう。
構造に問題はなくても、見た目を直すために少なくとも10~20万円といった高額な修繕コストがかかってしまいます。
2倍耐震の導入コストは、坪数にもよりますがおおよそ10万円前後。
いずれ来る震度6~7の大地震で修理費を払うリスクを考えれば、最初に投資して被害をゼロに抑える。
そう考えると、実は2倍耐震は「安心」なだけでなく、「金銭的にもお得」なオプションと言えるのではないでしょうか。
その3:「壁倍率7倍」で再発する地震にも耐える

一条工務店の2倍耐震、3つ目の特徴は『壁倍率7倍で再発する地震にも耐える、安心の住まい』です。
その理由は、非常に強固な「壁倍率7倍」の耐力壁を採用することで、繰り返し発生する大地震にも負けない強さを確保しているからです。
そもそも「壁倍率」とは、壁の強さを示す数値のこと。この数値が高ければ高いほど、地震の「揺れ」に対する抵抗力が強くなります。
- 一般的な住宅:約4倍
- 一条の標準(耐震等級3):5倍
- 一条の2倍耐震:7倍
一般的な住宅や、一条工務店の標準仕様と比較しても、2倍耐震は圧倒的な強さを誇っていることが分かりますよね。
また、単に壁が強いだけでなく、以下の図のようにバランス良く配置することも重要なポイントです。

こうして重心のズレ(偏心)を防ぐことで、一度目の地震で耐えるのはもちろん、余震や本震が繰り返される状況でも家を守り抜くことができます。
「制震ダンパー」などの装置を使わずとも、建物そのものの強さ(構造躯体)だけで熊本地震クラスの揺れに耐えられる。
これこそが、2倍耐震を選ぶ大きなメリットと言えるでしょう。
その4:地震で家が倒壊したら、全額補償される

一条工務店の2倍耐震、4つ目の特徴は『地震で家が倒壊したら、全額補償される』です。
この制度は「地震保険」と「一条工務店の独自保証」を組み合わせることで、再建にかかる費用を最大100%カバーしてくれる仕組みなんです。
一般的に、地震保険の上限は建物評価額の「50%」までと決まっています。
しかし、2倍耐震なら残りの「50%」を一条工務店が補償してくれるため、実質全額がカバーされるわけですね。
つまり、万が一「全壊」して建て替えが必要になっても、あるいは「半壊」で補修が必要になっても、金銭的な負担を最小限に抑えられるということです。(※地震保険への加入など条件はあります)

ここまでに解説した「2倍耐震の4つの特徴」をまとめると、以下のようになります。
- 「耐震等級5相当」で地震に強く、安心の住まい
- 大地震でもタイル外壁・クロスが破損しない
- 「壁倍率7倍」で再発する地震にも耐える
- 地震で家が倒壊したら、全額補償される
ここまでの話を聞くと「2倍耐震は最強のオプションだ!」と感じるかもしれません。
しかし、ここで即決するのは少し待ってください。
実は、このオプションにはメリットと表裏一体の「絶対に知っておくべき5つの注意点」が存在します。
これらを知らずに採用すると「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになりかねないので、必ずチェックしておきましょう。
一条工務店の2倍耐震「6つの注意点」

続いて、一条工務店で2倍耐震を採用する上で、事前に知っておくべき「6つの注意点」について解説します。
メリットばかりに目が行きがちですが、実は契約前に把握しておかないと後悔しかねない「落とし穴」も存在します。

その1:有料オプションで10万円前後かかる

2倍耐震を採用する際の注意点、1つ目は『有料オプションで10万円前後かかる』ことです。
「えっ、標準仕様じゃないの?」と思われるかもしれませんが、耐震等級3から「耐震等級5相当」にグレードアップするために、「施工面積(坪)× 3,000円」の追加費用が必要になります。
具体的な金額の目安は、以下の通りです。
- 25坪: 75,000円
- 30坪: 90,000円
- 35坪: 105,000円
- 40坪: 120,000円
「10万円もかかるのか…」と悩む方もいるかもしれません。
ですが、建物の耐震性能を物理的に強化する工事費と考えれば、実は驚くほどコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
なぜなら、一般的なハウスメーカーで「耐震等級3」を取得しようとすると、「構造計算」や「証明書の発行」といった事務手続きや計算費用だけで、20~30万円もかかってしまうケースが多いからです。
- 性能表示計算 : 10万円
- 許容応力度計算: 20万円
- 書類発行申請 : 5万円

計算上の数値を出すだけでなく、実際の構造強化に充てられる費用が約10万円.
家族の命を守るための投資対効果として考えれば、決して高い金額ではないはずです。
その2:間取り設計の制限・規制が増える

2倍耐震を採用する上で、避けて通れない注意点の2つ目は『間取り設計の制限・規制が増える』ことです。
なぜなら、圧倒的な耐震性を実現するためには、緻密な「構造計算」が必要となり、その結果としてどうしても「壁」や「柱」を増やさなければならないケースが出てくるからです。
具体的には、以下のようなルール(制約)が発生する可能性があります。
- 耐力壁の設置箇所が増える
- タレ壁(下がり壁)の設置箇所が増える
- 窓のサイズ縮小や設置数の制限が発生する




これらが発生した主な原因は、設計に取り入れていた「8畳の吹き抜け」と「大きなFIX窓」でした。

「開放的なリビングにしたい!」という思いが強かったのですが、耐震性を取るか、開放感を取るか、非常に悩ましい選択を迫られたわけです。
ただ、これは「吹き抜けを諦める」や「窓を少し小さくする」といった調整を行うことで、回避できる可能性も十分にあります。
そのため、「絶対にこの間取りじゃなきゃ嫌だ!」という強いこだわりがある場合は、契約前に設計士さんに詳しく確認しておくことが重要です。
また、そもそも「2倍耐震の制約が厳しすぎる…」と感じる場合は、耐震性と設計自由度を高いレベルで両立している他社メーカーと比較してみるのも一つの手です。
例えば、一条工務店と価格帯や性能が競合する「セキスイハイム」や「住友不動産」、「アイ工務店」などは、一度見ておく価値があるでしょう。

なお、タウンライフ家づくりを使えば、これらのメーカーの間取りプランや見積もりをスマホ一つで無料作成してもらえるので、効率的に比較検討したい方には必須のツールと言えます。
>>> 住宅メーカーから専用プランを取り寄せ【無料です】
その3:2倍耐震対応は「2×6工法」のみ

2倍耐震を採用する際の注意点、3つ目は『2倍耐震対応は「2×6工法」のみで、在来軸組み工法は非対応』という点です。
「一条工務店ならどの家でも付けられる」と思ったら大間違い。実は、選ぶ商品(工法)によって採用できるかどうかが決まってしまうのです。
具体的には、以下の通りです。
- グランスマート: 2×6工法(採用可)
- グランセゾン : 在来軸組み工法(採用不可)
- アイスマート : 2×6工法(採用可)
- アイキューブ : 2×6工法(採用可)
2倍耐震を採用できるのは、壁で建物を支える「2×6工法」を採用している「グランスマート」や「アイスマート」、「アイキューブ」だけ。
一方で、木造軸組み工法の「グランセゾン」などは対象外となってしまいます。
その理由は、2×6工法のような「モノコック構造(面で支える構造)」の方が、構造計算において高い耐震性能を確保しやすいからです。
逆に、在来軸組み工法は「間取りの自由度」が高い反面、構造上の特性から「耐震等級5相当」という桁違いの強度をクリアするのが難しいのでしょう。
つまり、もしあなたが「何よりも地震に強い家(倒壊リスク最小化)」を最優先にするなら、まずは「2×6工法の商品」を選ぶ必要がある、ということです。
その4:地震保険への加入が必須

2倍耐震を採用する際の注意点、4つ目は『地震保険への加入が必須』ということです。
「えっ、保険も強制なの?」と思うかもしれませんが、これは万が一の倒壊時に「全額補償」を受けるための絶対条件になります。
その仕組みは、一般的な「地震保険」でカバーされる建物評価額の50%に加えて、一条工務店が残りの50%を上乗せして補償してくれるというもの。
つまり、地震保険に入っていなければ、この手厚い「100%補償」のシステム自体が成り立たないわけですね。

そのため、2倍耐震のメリットを享受するには、毎年の「地震保険料」というランニングコストを支払い続ける必要があります。
「毎年お金がかかるのは痛いなぁ…」と感じる方もいるでしょう。
ですが、一条工務店の家は性能が高いため、以下の「2種類の割引」が適用され、保険料を大幅に安く抑えることができるんです。
- 省令準耐火構造: -10%
- 耐震等級3 : -50%
「実際いくらかかるの?」と気になる方のために、我が家の実例を紹介します。
32坪・2階建てのグランスマートで、火災保険や家財保険を含めた保険料は、5年間で8.6万円でした。
これを1年あたりに換算すると、約1.7万円の計算になります。

その5:30年長期保証の延長が必須

2倍耐震を採用する注意点の5つ目は『30年長期保証の延長が必須』です。
2倍耐震には倒壊時の100%保証が付いていますが、この保証を10年目以降も受け続けるには、一条工務店の30年長期保証への加入が条件になっています。
つまり、30年保証に加入しなければ10年目以降は倒壊しても100%保証の対象外。せっかくの手厚い保証も、途中で切れてしまう可能性があるわけです。
- 10年保証:無料(引渡し時に自動で付く)
- 30年保証:有料メンテナンスの実施が延長の条件
ここで気をつけたいのが、30年保証への延長には高額なメンテナンス費がかかるケースが多いという点です。
というのも、引渡しから10年目以降に一条工務店が指定するメンテナンス項目を、一条工務店のメンテナンス部門に依頼して完了させなければなりません。具体的には、10年目・15年目・20年目の定期点検を受けたうえで、必要と判断されたメンテナンス工事(有料)をすべて実施する必要があります。

だからこそ注意してほしいのが、10年後にメンテナンス費が想定以上に高額で30年保証に加入できず、結果として2倍耐震の倒壊時100%保証も終了してしまうというリスクです。
2倍耐震の保証を長期にわたって活用するつもりであれば、30年保証の延長に必要なメンテナンス費用をあらかじめ把握し、資金計画に組み込んでおくことが大切です。「保証があるから安心」ではなく、「保証を維持するためのコスト」まで見据えておくことが、本当の意味での備えと言えるでしょう。
その6:「耐震等級5」と「耐震等級5相当」は違う

2倍耐震を採用する注意点の6つ目は『「耐震等級5」と「耐震等級5相当」は違う』です。
この2つは似ているようで、実は大きな違いがあります。ポイントは耐震性を「誰が」判断しているかという点です。
- 耐震等級5
外部の「住宅性能評価機関」が審査し、承認した耐震性 - 耐震等級5"相当"
ハウスメーカーが「自社の構造計算で耐震等級5に相当する」と判断した耐震性

ここで整理しておきたいのですが、「相当」が付くかどうかで変わるのは耐震性そのものではなく、第三者による審査・証明があるかどうかです。
一条工務店が許容応力度計算に基づいた構造計算を行っている点は間違いありませんが、外部機関が発行する耐震等級の証明書は存在しない。この事実は知っておべきでしょう。
一方で、この違いは制度上の扱いにも影響してきます。たとえば耐震等級3の証明書があれば地震保険料の割引を受けられますが、「相当」の場合はその割引が適用されない可能性があります(適用条件は保険会社ごとに異なるため、個別の確認が必要です)。
だからこそ覚えておいていただきたいのは、2倍耐震の耐震性を信頼するかどうかとは別の問題として、証明書の有無が保険や制度面に影響するという点。ここは見落としやすいポイントなので、契約前にしっかり確認しておくことをおすすめします。
【耐震等級5超え?】地震に強く、間取り設計の自由度が高い大手ハウスメーカー「3社」

最後に、『地震に強く、間取り設計の自由度が高い大手ハウスメーカー3社』を紹介します。
一条工務店は許容応力度計算による構造計算を全棟で実施しており、耐震等級3が標準仕様。耐震性への信頼感は間違いなく高いメーカーです。
一方で、見落としてはいけないのが「一条ルール」と呼ばれる自社独自の設計規制により、間取り設計の自由度が低くなるという点。たとえば大空間のリビングを作ろうとすると耐力壁やタレ壁の配置が必要になり、大きな窓の導入が難しくなるケースがあります。
もちろん、耐震性を高めるために壁や柱の配置に制約が生じるのは構造上やむを得ない部分もあります。ただ、「開放的なリビングにしたい」「大きな窓から光を取り込みたい」という方にとっては、この制約が大きなネックになりかねません。
だからこそ本パートでは、耐震性の高さと間取り設計の自由度を両立している大手ハウスメーカーを3社取り上げます。いずれも耐震等級3以上の性能を確保しつつ、一条工務店では実現しにくい間取りにも対応できる構造を持ったメーカーです。

その1:ヘーベルハウス

地震に強く、間取り設計の自由度が高い住宅メーカー1社目は『ヘーベルハウス』です。
ヘーベルハウスが耐震性と間取りの自由度を両立できる理由は、構造体に「重量鉄骨」を採用している点にあります。
重量鉄骨は高層マンションやオフィスビルにも使われる構造で、柱と梁(はり)で建物を支えるため、耐力壁に頼る必要がありません。だからこそ、壁の配置に縛られず大空間のリビングや大きな窓を自由に設計できるわけです。

さらに、この重量鉄骨に「制震装置」を組み合わせている点も見逃せません。
制震ダンパーが地震の揺れを吸収することで、建物本体へのダメージを軽減する仕組みです。耐震(揺れに耐える)と制震(揺れを逃がす)の両方を備えているのが、ヘーベルハウスの構造上の強みと言えるでしょう。

この「重量鉄骨+制震装置」の組み合わせにより、建物の負荷が大きくなる3階建てでも間取り設計の自由度を確保できます。一条工務店のような木造住宅では耐力壁やタレ壁の配置が必要になる大空間も、ヘーベルハウスなら下記のように実現しやすい構造です。

アフター保証についても「初期保証10年+最長60年保証」という長期保証を用意しています。一条工務店の30年保証と比べると保証期間に大きな差があり、長期にわたって建物を維持していく前提で設計・保証が組まれていることがわかります。

その2:住友林業

地震に強く、間取り設計の自由度が高い住宅メーカー2社目は『住友林業』です。
住友林業の最大の特徴は「ビッグフレーム構法(BF構法)」と呼ばれる独自の構造。
一般的な柱の約5倍の幅を持つ太い柱で建物を支えるため、耐力壁に頼らなくても高い耐震性を確保できます。壁に頼らないからこそ、間取り設計の自由度も高くなるという仕組みです。


このBF構法を使えば、「柱なし・壁なし」で広々とした大開口のリビングを実現することも可能です。一条工務店では耐力壁やタレ壁が必要になるような大空間でも、住友林業なら最大7.1mの大開口を確保できます。


そして注目すべきは、BF構法の壁倍率が「22.4倍」相当という数値です。一条工務店の2倍耐震が「壁倍率7倍」ですから、数値の上では約3倍の差があります。

- 一条工務店/標準仕様:壁倍率「5倍」
- 一条工務店/2倍耐震:壁倍率「7倍」
- 住友林業/BF構法:壁倍率「22.4倍」
一方で、住友林業は坪単価が高めのメーカーとしても知られています。
もし予算が気になるという方は、住友林業の規格住宅「Forest Selection BF」を候補に入れてみてください。全1,500通りの間取りプランから選ぶ方式のため、注文住宅よりもコストを抑えられる可能性があります。
注文住宅と規格住宅で間取りや見積書を比較してみたい方は、 タウンライフ家づくり を活用すると効率的です。全国1,000社以上の住宅メーカーから間取り・見積書を無料で取り寄せできるので、情報収集の第一歩として活用してみてください。

その3:セキスイハイム

地震に強く、間取り設計の自由度が高い住宅メーカー3社目は『セキスイハイム』です。
セキスイハイムの構造上の強みは、独自の「ボックスラーメン構造(ユニット工法)」にあります。鉄骨の柱と梁を剛接合した箱型のユニットで建物を支えるため、壁や柱が少ないオープンな大空間を実現しやすい構造です.
先に紹介したヘーベルハウスや住友林業と比べると、間取り設計の自由度はやや控えめになります。ただし、一条工務店と家づくりのコンセプトが非常に似ているという点で、比較対象として外せないメーカーです。
| セキスイハイム | 一条工務店 | |
|---|---|---|
| 坪単価(目安) | 75~95万円 | 60~80万円 |
| 外壁材 | 石目調タイル | 磁器タイル |
| 全館換気 | 快適エアリー | ロスガード |
| 全館空調 | 快適エアリー | さらポカ・うるケア |
| 生産方式 | 工場生産 | 工場生産 |
表を見ると、坪単価だけならセキスイハイムの方が高く見えますよね。ただし、ここで大事なのは標準仕様に含まれる設備の違いを踏まえてトータルで比較するということです。
たとえば、セキスイハイムでは以下の項目が標準仕様に含まれています。
- 耐震性が高いベタ基礎(一条工務店では有料オプション/40万円相当)
- タイル外壁の種類が豊富(一条工務店では有料オプション/50万円相当)
- 初期保証30年間(一条工務店は初期保証10年間、30年延長には有料メンテが必要)

だからこそ、実際に見積書を取り寄せてトータル金額で比較してみることをおすすめします。 タウンライフ家づくり を使えば、セキスイハイムと一条工務店の両方から間取り・見積書を無料で取り寄せできるので、同じ条件での比較がしやすくなります。
なお、一条工務店とセキスイハイムの違いをさらに詳しく知りたい方は「【ライバルを徹底比較】セキスイハイムvs一条工務店は、どちらで建てるべき?【一条を選んだ8つの理由】」の記事も参考にしてみてください。
-

【全19項目で比較】一条工務店vsセキスイハイムはどっちがいい?後悔しない選び方と違い
続きを見る
【結論】2倍耐震で耐震等級5相当の住まいは安心、ただし他社メーカーとの比較も欠かせない
本記事の結論は『2倍耐震で耐震等級5相当の住まいは安心だが、他社の住宅メーカーも検討の余地がある』です。
約10万円の有料オプションで、建築基準法の2倍の強度を持つ住まいが手に入る。東日本大震災や熊本地震クラスの揺れ、あるいは直下型地震による倒壊リスクに備えたい方にとって、コストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。
一方で、このオプションには見過ごせない注意点も存在します。
- 有料オプションで10万円前後かかる
- 間取り設計の制限・規制が増える
- 2倍耐震にできるのは「2×6工法」のみ
- 地震保険への加入が必須となる
- 30年長期保証の延長が必須となる
- 「耐震等級5」と「耐震等級5相当」は違う
特に多くの方が気にするのが、構造計算の結果として「耐力壁」や「タレ壁」が増え、間取りの自由度が下がってしまうという点ではないでしょうか。


だからこそ、「地震に強い家を建てたいけれど、耐力壁やタレ壁の制約、地震保険料の負担には納得できない」という方は、以下の3社もあわせて比較してみてください。
- ヘーベルハウス:重量鉄骨+制震ダンパーで耐震性と大空間を両立
- 住友林業:壁倍率22.4倍のBF構法で、最大7.1mの大開口が可能
- セキスイハイム:一条工務店と似たコンセプトで、標準仕様の充実度が高い
中でも、個人的に注目してほしいのは「セキスイハイム」です。
その理由は、一条工務店と家づくりのコンセプトがよく似ていながら、標準仕様に含まれる設備に大きな違いがあるから。
| セキスイハイム | 一条工務店 | |
|---|---|---|
| 坪単価(目安) | 75~95万円 | 60~80万円 |
| 外壁材 | 全面タイル | 全面タイル |
| 全館換気 | 快適エアリー | ロスガード |
| 全館空調 | さらポカ・うるケア | |
| 生産方式 | 工場生産 | |
たとえば、耐震性を高めるベタ基礎(40万円相当)や種類豊富なタイル外壁(50万円相当)、そして初期保証30年間。これらはセキスイハイムでは標準仕様ですが、一条工務店ではいずれも有料オプション扱いになります。
坪単価だけを見ればセキスイハイムの方が高く映りますが、オプション費用を含めた総額で比較すると、建築コストが逆転するケースも十分にあり得るわけです。
だからこそ大切なのは、坪単価ではなく「トータルの建築コスト」で比較すること。そのためには、複数の住宅メーカーから間取りと見積書を取り寄せて、同じ条件で並べてみる必要があります。
効率的に情報を集めたい方は、 タウンライフ家づくり の活用がおすすめです。全国1,000社以上の住宅メーカーに間取り・見積書の作成を無料で依頼できるので、3~6社ほどに依頼すれば、各社の建築コストの違いがはっきり見えてくるはずです。
- タウンライフ家づくり
で複数メーカーの間取り・見積書を取り寄せ、違いを把握する
- 気になったメーカーの展示場に足を運び、詳しい話を聞く


