三井ホームは魅力的だけど、価格が高いんだよなぁ…。
こんな疑問にお答えします。
本記事では住宅メーカー選びにおいて『三井ホームvs一条工務店』を比較します。
先に結論を言うと、下記の通りです。
- 品質・こだわりを重視したい人
→ 三井ホーム - コスパ・割安を重視したい人
→ 一条工務店
その理由は、同じ注文住宅でも「オーダー設計の幅」が大きく違うからです。簡単に言うと、下記の通りです。
- 三井ホーム
→ フルオーダーで自分の好きなプランを選べる - 一条工務店
→ 用意された数種類のプランの中から選ぶ
一条工務店は「少品種・大量生産」が特徴です。これらを自社製造することで「選べる種類は少ないけれど、高品質・割安な家」を建てることができます。
対する三井ホームは「フルオーダー」が魅力の住宅メーカーです。そのため「三井ホームは高い…」のイメージがあるかもしれませんが、最近では「規格住宅・低価格のオーダー住宅」が作れるプランも増えています。
建築コストは「一条工務店 < 三井ホーム」です。
そこで本記事では「一条工務店よりも価格が高い三井ホームを選ぶ魅力・理由は何か?」を解説したいと思います。
筆者の紹介
- マイホーム:一条工務店(i-smart)
- 住宅ローン:4,300万
- 家の特徴 :2階建て
- 家族構成 :3人暮らし
【三井ホームvs一条工務店】どっちの住宅メーカーを選ぶ?
本記事は下記の順番で解説を進めます。
本記事の内容
- 【建築コスト】坪単価より比較する
- 【外観デザイン】オシャレとシンプル
- 【気密性・断熱性】快適性の違いは誤差
- 【メンテナンス】外壁材の修繕コストの差
- 【全館空調を比較】エアコンvs床暖房+床冷房
- 【間取り設計】自由度は三井ホームが圧勝
【建築コスト】坪単価より比較する
まず最初に坪単価を元に「建築コスト」を比較します。
両社の坪単価は、下記の通りです。
- 三井ホーム:90万
→ 「70~100万」のプランが多い - 一条工務店:70万
→ 「60〜80万」のプランが多い
各社の人気モデルを比較すると「20万」ほど、坪単価に差が開きます。
こちらを元に家の坪数毎に建築コストを計算すると下記の通りです。
三井ホーム | 一条工務店 | |
---|---|---|
25坪 | 2,250万 | 1,750万 |
30坪 | 2,700万 | 2,100万 |
35坪 | 3,150万 | 2,450万 |
40坪 | 3,600万 | 2,800万 |
一般的な35坪の家だと「三井ホームの方が+700万ほど高くなる」と言えます。
「三井ホームvs一条工務店」でお悩みの方は「この価格差が納得できるか?」がポイントになりそうですね。
こちらの坪単価を下記で補足します。
三井ホームの坪単価
三井ホームで人気プランの坪単価は、下記の通りです。
- グラセナ :100万
- ルーカス :70〜80万
- ラングレー:70〜80万
- ヴァンス :80万前後
三井ホームは「フルオーダー」のプランがあります。(エクセレントフリープラン)
こちらは「天井の高さを240㎝ → 300㎝」に変更するなど、家の構造を大幅に変更できる完全自由設計のプランです。
例えば「ラングレー(坪単価70~80万)」にエクセレントフリープランを導入すると、最終的な坪単価は「100万前後」が目安になります。
三井ホームは「自由設計」が特徴の住宅メーカーなので、価格設定がかなり複雑なんですよね、、、
一条工務店の坪単価
一条工務店で人気プランの坪単価は、下記の通りです。
- グランセゾン:70〜80万
- アイスマート:65〜75万
- アイキューブ:60〜70万
一条工務店は「モデルハウス仕様が標準仕様」を売りにする住宅メーカーです。標準仕様に多くの設備が含まれるため、三井ホームほど建築コストのバラツキが出にくいです。
そのため「坪単価 × 家の坪数 + 好みのオプション費」で、おおよその建築コストは計算できます。
【外観デザイン】オシャレな三井とシンプルな一条
続いて、三井ホームと一条工務店の外観デザインを比較します。
家の外観デザインは好みです。これは「良し・悪し」ではないので、サクサクっと見ていきましょう。
三井ホーム
三井ホームは「白」を基調としたデザインが特徴的です。
外観は「全30種類~」とバリエーションが豊富なので、お好みのデザインに仕上げることができるはずです。
ラングレー
ルーカス
スカラ
どれも白の外壁をベースに「木目の茶色・ブラック外壁」を組み合わせた、モノトーンのデザインが特徴的ですね。
個人的には「ラングレー」の外観が最もカッコ良いと思います。
一条工務店
一条工務店は「全面タイル」の外観が特徴です。
「一条工務店の家は遠くからでも、スグに見つかる」と言う人が多いです。その理由は「外壁の種類=計5種類」と少ないため、どこの家も似たような外観デザインになってしまうんですよね、、、
グランセゾン
アイスマート
アイキューブ
一条工務店の外観は、下記の「5種類」のタイルから選びます。
組み合わせパターンは「1色 or 2色」です。一条工務店はタイルの種類が少ないにも関わらず、こちらは「有料オプション(約40~50万)」なんですよね、、、
標準仕様だと「ホワイトのみ」と選択肢がありません。一条工務店の外観デザインは、かなり残念だと言えそうです。
なので「家の近くに一条工務店の似た家が複数ある…」といった状況になるケースも…。
【気密性・断熱性】快適性の違いは誤差
次に各社の『気密性・断熱性』を比較します。
「寒い冬・暑い夏でも快適」や「電気代を安くできるエコ住宅」を気にしたい人は、注目すべきポイントです。
こちらは一条工務店の方が優秀です。とは言え、誤差の範囲なので気にしなくても大丈夫です。
一条工務店
一条工務店の気密性・断熱性の高さは、業界でダントツです。
「気密性・断熱性と言えば、一条工務店」と言えるくらい、この分野で群を抜いています。
家の全面(壁・床・天井)に高品質な断熱材が詰め込まれています。
劣化しやすいグラスウールではなく、性能が高くて長持ちするグラスウールを壁の中にビッチリと詰め込む構造です。
三井ホーム
三井ホームは「屋根断熱(ダブルシールドパネル)」で、太陽の熱をカンペキに遮断します。
例えば「夏は1階より2階が暑い家」が多いですよね。これは「太陽の熱が部屋の中に入り込んでいる」ことが原因です。
屋根の断熱材にまでこだわる住宅メーカーが少ないので、さすがの三井ホームと言えますね。
快適性の差は「誤差」
「で、どちらの家が快適なの?」と言うと、誤差の範囲です。
あえて言うなら一条工務店が上ですが、変わらないと言えるでしょう。
こちらでは下記の2つで比較します。
- UA値・Q値・C値の差は?
- 地域ごとに必要なUA値は?
厄介な専門用語ですが、かなり簡単に解説します。
「UA値・Q値・C値」の差は?
断熱・気密の性能は「UA値・Q値・C値」で判断します。
- UA値:断熱性(熱の逃げにくさ)
- Q値 :断熱性(熱の逃げにくさ)
- C値 :気密性(隙間の面積)
どれも「値が低い=優秀」です。
UA値とQ値は、ほぼ同じ意味です。2013年頃から「Q値 → UA値」に変わって、主な指標として使われています。
こちらを主要な住宅メーカーで比較すると、下記の通りです。
UA値 | Q値 | C値 | |
---|---|---|---|
一条工務店 | 0.25 | 0.51 | 0.59 |
三井ホーム | 0.43 | 1.61 | 2.00 |
セキスイハイム | 0.46 | 1.60 | 0.99 |
住友林業 | 0.75 | 1.91 | - |
積水ハウス | 0.75 | 2.40 | - |
ヘーベルハウス | 0.87 | 2.7 | 5.00 |
一条工務店は「UA値・Q値・C値」において、ダントツです。
名だたる高級ハウスメーカーよりも一条工務店の快適性が勝っていると言えそうですね。
「でも結局のところ、どれだけ違うの?」は、下記を参考にして下さい。
必要なUA値は?
「日本で必要とされるUA値」は、下記の通りです。
- 省エネ基準 :UA値0.87以下
- ZEH基準 :UA値0.6以下
- ZEH+基準:UA値0.4以下
一条工務店は全てクリア、三井ホームは「③ZEH+基準」だけ未達ですね。
更に深掘りして「各地域で求められるUA値」は下記の通りです。
- 北海道 :0.4以下
- 東北・長野・岐阜:0.5以下
- 上記を除く日本 :0.6以下
同じ一条工務店は全てクリア、三井ホームは「①北海道」だけ未達です。
つまり三井ホームの気密性・断熱性は、北海道クラスの寒冷地だと少し物足りないかもしれません。
なお「UA値=0.1」で1年間の電気代が「1,000~1,500円ほど変わる」と言われているので、電気代で言うと誤差の範囲ですね。
【メンテナンス】外壁材の修繕コストで比較する
一条工務店の外壁には「タイル」が使われています。
メンテナンス費が最も安くなる外壁材は「タイル」なので、一見は一条工務店がオトクです。
ですがタイル外壁を選べば間違いないとも言い切れません。
その理由は、修繕費だけでなく「導入費+修繕費」で判断する必要があるからです。
下記で詳しく解説します。
【三井ホーム】吹き付け
三井ホームの外壁材は『リシン吹き付け』を採用しています。
こちらは低価格で修理できる外壁材です。その安さゆえにデメリットもあり、下記の通りです。
- 付いた汚れが落ちにくい
- 亀裂・ヒビが入りやすい
- カビが生えやすい
- 粉を吹く
- 耐用年数が10年と短い
これだけ聞くと「吹き付け=選ばない方が良い」と思うかもですが、そうとも言い切れません。
外壁メンテナンスの考え方は、下記の2つです。
- マメに修繕して最も良い状態を保つ
- 最初に高耐久の外壁材を導入して修繕回数を減らす
こちらは専門家でも意見が大きく分かれます。そのため正解を選ぶのではなく「どちらの考え方に同意できるか?」で判断すべき内容です。
三井ホームは「①マメに修繕する」に同意できる人向けです。
吹き付けを選ぶメリットは「修繕コストが圧倒的に安い」ことです。
- 1㎡=約2,000円
- 外壁140㎡(約35坪) × 単価2,000円=28万
10年ごとの外壁メンテナンスは、70~100万が相場です。
ですが三井ホームの吹き付けは「約30万」と相場の1/3~半額で修繕が行えるお得っぷりです。
【一条工務店】タイル外壁
一条工務店の外壁材は「タイル」です。
先ほどの「②最初に高耐久の外壁材を導入して修繕回数を減らす」に同意できる人向けですね。
タイル外壁のメリットは、下記の通りです。
- 耐久性は60年と高寿命
- 汚れが付きにくい
- 修繕価格が安い
最大のデメリットは「導入コストの高さ」です。一般的に「タイル外壁=100~200万」の追加料金がかかるケースが多いです。
一条工務店は「タイル外壁=標準仕様」ですが、これらの導入コストは全て坪単価に含まれるため有料と同じです。
メンテナンスフリーと言いつつも、実際は修繕が必要です。例えば「30年後にシーリングの打ち換え 68万」や「タイルが割れた時の交換費用(1枚/約100円)」などですね。
【全館空調を比較】エアコンvs床暖房+床冷房
次に各社の全館空調を比較します。
僕は家を建てるまで「全館空調とか豪邸にある贅沢品で、我が家には関係ない」と思っていました、、、
ですが「家の快適性・設備の寿命・電気代」を考えると、意外とお得なケースも多いので考える余地ありですよ。
- 三井ホーム:スマートブリーズ
- 一条工務店:全館床暖房・床冷房
特に「部屋数が多い=エアコンの台数が多い」家なんかは、オトクになり易いです。
【三井ホーム】スマートブリーズ
三井ホームのスマートブリーズワンの導入コストは「150~250万」です。
下記の3種類から選べます。
- スマートブリーズ・エース
→ 40坪以上の住宅向け - スマートブリーズ・プラス
→ 40坪以上の住宅向け(消臭機能付き) - スマートブリーズ・ワン
→ 40坪以下の住宅向け
最も採用率が高いスマートブリーズ・ワンは「約150万」です。
例えば4LDKで壁掛けエアコンを使って空調する場合だと「リビング 20万・洋室 8万×3台」で約40~50万です。
機械の寿命は「壁掛けエアコン<全館空調」と長持ちです。それに加えて1台で家全体の「暖房・冷房・加湿・除湿・空気清浄・脱臭」ができることを考えると、意外とお得だったりも。
三井ホームの全館空調は有料オプションなので「採用・不採用」が自由に選べます。ですが次に紹介する一条工務店の全館床暖房は標準仕様なので、好みで選ぶことができません、、、
【一条工務店】全館床暖房・床冷房
一条工務店では全館床暖房が標準仕様です。
有料オプションで「さらぽか空調(床暖房+床冷房)」を導入することができ、選べる種類は下記の通りです。
- さらぽか(床暖房+床冷房)
→ 坪数 × 15,000円 - うるケア(床暖房のみ)
→ 標準仕様
多くの人が勘違いしているのは「一条工務店は標準仕様が充実=お得」と考えている点です。これ間違いです。
なぜなら標準仕様は坪単価の中に導入コストが含まれるので「有料と同じ」だからです。それよりも、自分たちにピッタリな設備は何かを考えて、必要なだけ導入する方がよほどコスパ良い家になるはずです。
こちらをまとめると下記の通りです。
- 一条の標準仕様が欲しい人
→ 割安に買えてお得 - 一条の標準仕様が必要ない人
→ 不要な設備が多くなり、割高な家に
標準仕様の内容は住宅メーカーで異なります。ですが一条工務店は標準仕様が充実しているため、他社の住宅メーカーより特に重要な判断ポイントと言えそうですね。
他にも「ロスガード(換気システム)」や「外壁タイル」などの多くの高級設備が標準仕様に含まれます。
契約後に「やっぱり全館床暖房は必要ないかも…」と思っても、買わないという選択肢はありません。一条工務店は「標準仕様の判断」が最大のキーポイントになりそうですね。
【間取り設計】自由度は三井ホームが圧勝
自由に間取りを作りたいなら、三井ホームを選ぶべきです。
なぜなら一条工務店は「一条ルール」という間取りの規制ルールが異常に厳しいからです。
例えば三井ホームは「天井高300㎝」だったりと、他社では作れない間取りも難なく再現できます。
快適なマイホームを作るには「住宅メーカーと同じくらい間取り設計が大事」なので、これだけでも三井ホームを選ぶ価値がありますよね。
参考までに、下記で「天井高・最大間口」を比較します。
- 天井高の上限
- 最大間口の上限
例えば「天井が高くて、大きな間口が取れる開放感あるリビング」が作れる住宅メーカーは、耐震性が高くて間取り設計の制限が少ないとも言えます。
「自由な家づくりができる住宅メーカーはどっち?」の参考になるはずです。
最大の間口
三井ホームと一条工務店の最大間口は、下記の通りです。
- 三井ホーム:7.3m
- 大和ハウス:7.1m
- 住友林業 :7.1m
- 積水ハウス:7.0m
- 一条工務店:非公表
一条工務店では非公表です。ですが実際の打合せで聞く限りだと「4~5mが限界かな…」といった印象ですね。
最大の天井高
続いて「最大の天井高」は下記の通りです。
- 三井ホーム:300㎝
- 大和ハウス:272㎝
- 住友林業 :280㎝
- 積水ハウス:272㎝
- 一条工務店:260㎝
三井ホームの天井高300㎝は業界トップです。
こちらはリビングだけでなく、玄関・和室・洗面所等の他の部屋も全て天井高300㎝を再現できます。なのでかなりの開放感を感じられるはずです。
つまり「開放的なリビング・こだわりの間取り」を作りたい人は、三井ホームを選ぶべきです。
【まとめ】大満足のマイホームを建てたいなら三井ホームを選ぶべき
本記事をまとめます。
満足のいくマイホームを建てたい人は「三井ホーム」を選ぶべきです。
三井ホームは「デザイン・メンテナンス・間取り設計」など、あらゆる面において魅力的な住宅メーカーです。
ですが最大のデメリットは、建築コストの高さですよね。一般的に多い35坪だと、家だけでも3,500万前後とかなり高額です。
それに家を建てるには「申請費・設計費・火災保険・諸経費」等の色んな費用が必要です。坪単価以外に加算されて想像以上に高かった…というケースもよく聞きます。
「いくら魅力的な家でも住宅ローンの返済が心配…」とお考えの方は、タウンライフ家づくりをお試し下さい。
こちらは「専用の間取りプラン・見積書・カタログ」を依頼できるサイトです。つまり「自分たちのイメージするマイホームに必要な予算は?」を知るために持ってこいのサービスなんですよね。
最近だと三井ホームは「規格住宅」にも力を入れています。選べるプラン数は減るものの「三井ホームの品質で、注文住宅より安く建てられる」ため比較する価値ありですよ。
手続きはスマホ3分だけ、利用料は完全無料です。有益な情報が得られるサイトなので、僕は住宅メーカー比較で活用しました。