『一条工務店へのウッドショックの影響』を記事にまとめました。
オイルショックならぬ、ウッドショック…住宅業界の危機が到来です…。
木材価格の上昇で「値上げ」をする住宅メーカーが続出です…。
下記の記事で「2022年のウッドショックの最新情報」をまとめています。
【全24社】住宅メーカーにウッドショック直撃【最新情報から分かる現状と見通し】
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ハウスメーカー・工務店の状況が分かるはずなので、参考にしてくださいm(_ _)m
ウッドショックとは?何が原因?
最初に「ウッドショックとは?」をザックリ解説です。
って人は、読み飛ばしてOKです(/・ω・)/
ウッドショックは、「コロナ」が原因で起きた木材価格の急騰です。
世界的に新築住宅の需要が急増したことで、木材価格が急激に上昇し、ハウスメーカーが危機に直面しています。
ウッドショックで木材価格は2倍に
2020年4月〜2021年5月のたった1年間で、木材価格は6倍以上に高騰しました。
- 2020年4月:271ドル
- 2021年5月:1,711ドル
- 2021年7月:720ドル
その後も木材価格が元に戻ることはなく、高値圏で推移し続けています。
中でも急激に値上がりした木材が「SPF材」です。
2021年春にはわずか3か月間で一気に2倍以上になりました。
SPF材とは「2×4工法」や「2×6工法」で建てる家で使う木材で、一条工務店のアイスマート・アイキューブ・アイパレットで使われている木材です。
つまり一条工務店の主要木材の価格が大幅に値上がりしており、かなりピンチの状況なんです。
ウッドショックの原因はコロナ
ウッドショックは、3つの大きな原因があります。
- アメリカで新築需要が急増
- 世界的なコンテナ不足が深刻
- 木材の買い占めで価格が高騰
つまりコロナで「世界中の人の生活スタイルが激変したこと」が理由で、下記で順番に解説します。
理由①:アメリカで新築需要が急増
1つ目の理由は「アメリカで新築住宅の需要が急増」したからです。
新築需要が増えた理由は、下記の5つの理由です。
- コロナ→おうち時間の増加→家の快適さを求める人が増加→新築(改築)需要の増加
- 米国の低金利で住宅ローンが借りやすい環境
- コロナ前からアメリカで別荘ブーム到来
- アメリカ人は生涯で何回も家を買い換える
- 米国株の上昇で金回りが良い人が増加
日本でも「テレワーク文化の浸透で都心 → 郊外に生活拠点を移す人が増えた」という生活の変化がありましたよね。これと同じ状況が世界的に起きています。
木材の需要が急激に増加したことで、木材の供給が追い付かなかったことが1つ目の理由です。
理由②:世界的なコンテナ不足が深刻
2つ目の理由は「世界中でコンテナ不足していて、運搬に足りていない」からです。
木材は「海外から船で輸入」します。そのため「①船、②コンテナ」が必要になるものの、ネット通販などの宅配需要が増加したことで船・コンテナ・ドライバーが不足しています。
ネット通販の急増で、今までの作業員・ドライバーでは荷物の輸送が追い付かず、荷物が入ったコンテナが港に放置され、空きコンテナが出ない状況が続きました。
つまり「木材が輸入できない × 木材の消費が急増」のダブルパンチで、木材価格が急騰してウッドショックに繋がったという流れです。
理由③:木材の買い占めで価格が高騰
3つ目の理由は「木材価格の上昇を見越した木材の買い占め」です。
これは憶測ですが、たぶん当たっているはず。
- アメリカの大手住宅メーカー
→自社の建築用の在庫を確保 - 投資家
→価格上昇を見越して先回り買い
ザックリ言うと「コロナ初期にマスク買い占めで、価格が高騰した」のと同じ現象です。
でもウッドショックは世界的な規模で行われているので、問題が大きそうですよね。
【ウッドショック】一条工務店は大丈夫?影響なし?
続いて『一条工務店へのウッドショックの影響』を解説します。
中には値上げを行う住宅メーカーもあるので、住宅メーカーと契約前の人は特に心配ですよね。
一条工務店へのウッドショックの影響は?
一条工務店は、ウッドショックの影響は今のところ受けていません。
担当の営業に聞いても『今のところ、ウッドショックの影響は受けていない』と返答がありました。
- i-smart・i-cubeで使うSPF材の高騰(2倍)
- 大量の木材を使う一条の家(普通より多い)
にも関わらず「本当に影響ないのか?」を深掘りしてみます。
一条工務店でウッドショックの影響がない理由は?
一条工務店にウッドショックの影響がない理由は、下記の3つです。
- 自社コンテナを所有
- フィリピンに自社所有の山で木を育てている
- フィリピン工場の在庫に余裕アリ
理由①:自社コンテナを所有
一条工務店は『自社所有のコンテナを持っている』ので、ウッドショックも大丈夫です。
つまり「木材の輸入=自社コンテナ」を使うため「コンテナ不足問題」は、一条工務店には関係ないとのこと。
さすがは注文住宅だけで年間14,000戸以上を建てる一条工務店だけあって、予想外のウッドショックにもバッチリ対応ですね(/・ω・)/
理由②:フィリピンに自社所有の山で木を育成
一条工務店は『フィリピンに自社所有の山で木を育てている』ので、大丈夫です。
一条工務店の住宅を製造する拠点は「フィリピン」です。
そこに「自社の巨大な山林&工場」を作り、一条工務店の家に使う木材を育てているので急なウッドショックでも一旦は問題ないということ。
ウッドショックの中心地は「アメリカ・中国・ヨーロッパ」なので、フィリピンは影響が小さいのかもですね。
理由③:フィリピン工場の在庫に余裕がある
一条工務店は『フィリピン工場の在庫に余裕がある』ので、大丈夫です。
一条工務店のフィリピン工場は、世界No.1の規模です。
「日本国内じゃ、絶対に作れない!」と言い切れるくらい、工場がデカイです( ゚Д゚)
その超巨大工場の中に木材のストックが一定数あるので、問題ないと聞きました。
【長期的目線】一条工務店はウッドショックで倒産しない?
「木を大量に使う木材住宅の住宅メーカー」だけあって、ウッドショックが長引くと”家を建てる側”としては、何かと心配ですよね…。
特に一条工務店の主力商品で使うSPF材は、たった4ヶ月で価格が2倍に跳ね上がりました。
ですが一条工務店が倒産する心配はないと考えており、その理由は下記の通りです。
理由①:一条工務店は無借金経営で安心
一条工務店は「無借金経営」です。
企業の倒産って「銀行融資の返済が一時的に滞る黒字倒産」が最も多いんですよね。
- 銀行への借金(負債)はゼロ
- 支払いは、全て手元キャッシュ
なので「家が作れない→売上下がる→銀行への返済ができない→倒産」のようなケースは心配ありません。
上場企業ではないので、開示情報がなく詳細は不明ですが、上記の心配はなさそうです。
理由②:一条工務店は利益管理がバッチリ
一条工務店は「利益管理がバッチリ」なので、心配いりません。
- CMを行わない
- 家を値引きしない
- 設備はオリジナル品が多い
- フィリピン生産で人件費が安い
- 坪単価を毎月調整する
更に「自社生産だと生産量・原価を調整しやすい」という点もメリットです。
例えばメーカー品を使う場合、
- 年間○個以上は購入してね
- 最低○個以上の購入で割引するよ
と約束してメーカーから購入するケースが多いです。
でも一条工務店は、自社で製造した設備を多く使うのでコスト管理のハードルが低いです。
自社商品は設備は利益率が高いので、一条工務店の「無借金経営&手元の潤沢なキャッシュ」に繋がるワケですね。
なのでウッドショックで一条工務店に倒産する心配は必要ありません。
理由③:一条工務店は過去3回のウッドショックを乗り越えてきた
今、問題となっているウッドショックは、今回で3回目です。
実は過去にもウッドショックはありました。
- 1回目:1990年
- 2回目:2008年
- 3回目:2021年
一条工務店は「1978年に創業」です。
つまり過去3回のウッドショックを全て乗り越えた実績があるというワケですね。
【一条工務店の家づくり】ウッドショックの注意点
ウッドショックが起きている今、一条工務店の家づくりで注意すべきポイントを2つだけ解説します。
ウッドショックで坪単価の上昇に注意
一条工務店の「坪単価の上昇に注意すべき」です。
坪単価は毎月のように変わり、1度上がった坪単価が下がることは絶対にありません。
一条工務店は、現に過去に1度も坪単価が下がったことはありません。
一条工務店の建築工期が遅れる可能性も
ウッドショックの木材不足の影響で「建築工期が遅れる可能性が高い」です。
今はどの「木材」も手に入りにくいです(/・ω・)/
仮に「2×6工法」に使うSPF材が手に入っても、他で使う木材が足りず工事が進まない可能性も。
一条工務店の担当の営業に確認した方が良いかもです。
【結論】一条工務店はウッドショックの影響を受けていない
最後に記事をまとめると、一条工務店はウッドショックの影響を受けておりません。
ですが今後は「木材不足 → 建築コストの上昇」に繋がる可能性は十分に考えられます。
なぜなら多くの住宅メーカーが坪単価の値上げを強いられているからです。
一条工務店は仮契約すると坪単価が固定されるので、検討中の方はお早めに判断を下した方が良いかもしれません。
タマホームはウッドショックで値上げ済み
例えば「タマホーム」は、ウッドショック後に値上げに踏み切りました。
厳密には「坪単価は変えず」に、「その他工事 約50万」を見積書に追加したようです。
一時的な費用増で↑の対策を取っているようで、つまりタマホーム的には「ウッドショック=一時的」だと考えているみたいですね。
ウッドショックで注意すべきは小さな工務店
ウッドショックで特に注意すべきは「小さな工務店」です。
- 資金繰りが厳しい
- 建築費がUPしやすい
- 工期遅れが深刻
つまりウッドショックの影響をモロに受けています。
大手よりも問題が深刻で、
「家が建てられない→返済が滞る→倒産」のピンチに立つケースも多いです。