
ラストデイは何がきっかけで起きて、その時のビットコイン価格はどうなってしまうんだろう…。
本記事は、こんな疑問に答えます。
先に結論を言うと『ラストデイが起きる可能性はあるものの、ここ数年間は気にする必要ナシ』です。
先に背景を話しておくと、ビットコインは「上位1%の人が発行量の90%以上を保有している」と言われています。
つまりラストデイは「ビットコインの大量保有者がビットコインを売却すれば、価格が暴落し、価値が無くなる」というシチュエーションを意味します。
ですが上位1%の大量にビットコインを保有する人こそ、ビットコイン価格が下がると含み益が減る、もしくは損が大きくなるためダメージが大きいですよね。
だから一般的に言われている「上位1%がビットコインを売る=ビットコインの終わりの日(ラストデイ)」が起きることはないと思います。
ですが、他の原因からビットコインのラストデイが起きる可能性は考えられます。
- 大口保有者の売りでビットコインが暴落する
- マイナー消滅によるビットコインの不安定化
- ビットコイン以上に価値を持つ仮想通貨の誕生
- ブロックチェーンを超える技術が生まれる
- その他の複合的な要因
例えば、上記のいずれかがビットコインを売却するトリガーとなり、その後は売りが売りを呼ぶ展開でビットコイン価格が大きく下がるケースも考えられます。
本記事を読むと「ビットコインの問題点・注意点」も分かるはずなので、ビットコインへの投資をする人・考えている人は一読して判断してみてくださいm(_ _)m
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【ビットコインの最後の日】ラストデイはいつ起きる?
早速ですが、ビットコインのラストデイが起きると考えられるのは、下記の5つのケースです。
他にも様々な要因はあるものの、代表的な5つを紹介します。
ケース①:大口保有者の売りでラストデイが起きる
1つ目は『大口保有者の売りでラストデイが起きる』ケースです。
こちらは最初にも解説した通りで、ビットコインを保有する上位1%の大口投資家の売却でビットコイン価格が暴落する可能性です。
ですが大口保有者こそ、ビットコイン価格が下がるのは避けたいはずです。
そのため上位1%の大口ホルダーの大きな売り注文で、ビットコイン価格の暴落を引き起こすようなことはないと思います。
ですが、この可能性がゼロとは言い切れないので、ビットコインの大口保有者をチェックしておきましょう。
その①:大口保有する個人投資家の売り
1つ目は『ビットコインを大量に保有する個人投資家の売り』でラストデイが起きる可能性です。
個人投資家とは言え、その保有量はケタ違いで下記の通りです。
ウィンクルボス兄弟 | 150万BTC |
---|---|
サトシ・ナカモト | 110万BTC |
アイラ・クレイマン | 110万BTC |
ガービンアンダーソン | 20万BTC |
バリー・シルバート | 10万BTC |
チャーリー・シュリム | 不明 |
上記で、少なくとも300万BTC以上を保有していることが確認されています。
ビットコインの全発行枚数は2,100万枚に対して300万BTCは「全体の約14%」を占めているため、もしも売却に動いたら…と考えると怖いですよね。
ビットコイン価格を500万円で計算すると、300万BTCは「約150兆円分の売り圧力」になります。
もしも大口投資家の誰かが売りに動いてビットコインが下落し、売りが売りを呼ぶ展開で価格が暴落すると、ラストデイに繋がるかもしれません。
その②:大口保有する企業の売り
2つ目は『大口保有する企業の売り』でラストデイが起きる可能性です。
アメリカ企業を中心にビットコインへ投資する企業が増えており、下記をご覧ください。

出典:Bitcoin Treasuries
MicroStrategy | 129,218BTC |
---|---|
Tesla | 42,902BTC |
Galaxy Digital Holdings | 16,400BTC |
Voyager Digital | 12,260BTC |
Marathon Digital Holdings | 9,373BTC |
日本でも、メイプルストーリーというゲームを作った「ネクソン」も1,717BTC(約85億円分)のビットコインを保有しています。
企業の投資は、余剰資金で行っているため「長期投資」のケースが大半です。
ですが「本業で稼げなくなり、資金繰りが怪しくなった」や「新規事業を始めるにあたり、投資資金が必要になった」といった理由で、ビットコインを売りに動く可能性が考えられます。
企業もお金を増やすための1つの手段がビットコイン投資なので、利益がでたら売却すると思っておいた方が良いでしょう。
その③:ビットコインを保有する国家の売り
3つ目は『ビットコインを保有する国家の売り』でラストデイが起きる可能性です。
日本だと考えられないですが、世界を見渡すとビットコインを所有する国が結構あります。

出典:Bitcoin Treasuries
ブルガリア | 213,519BTC |
---|---|
ウクライナ | 46,351BTC |
フィンランド | 1,981BTC |
エルサルバドル | 1,391BTC |
ジョージア | 66BTC |
ブルガリア共和国の所有するビットコインは、過去の犯罪組織の取り締まりで「約21万BTC」を押収しており、これは国の債務の4分の1を払える金額に相当します。
国がビットコインを保有する理由は「インフレ対策」が多いです。ですがブルガリアは意図的に所有したワケではないため、このビットコインをどうするかが気になるところですよね。
またビットコインの発行枚数は最大2,100万枚ですが約400万BTCほどがパスワード忘れや保有者の死亡で、市場に出回らないと言われています。
つまり大口保有者の売り圧力は、市場に流通するビットコインに対してかかるため、想定よりもインパクトが大きくなる可能性が考えられます。
ケース②:システム不安定化がラストデイに繋がる
2つ目は『システム不安定化がラストデイに繋がる』ケースです。
具体的には、マイニング事業者の減少でビットコインが中央集権的になり、承認システムが不安定になり、ビットコインが売られたことでラストデイに繋がるケースです。
そもそもビットコインは管理者がおりません。世界中で行われるマイニング作業により、安全性・信頼性が担保され、システムだけで稼働しているのがブロックチェーンです。
ですがビットコインのブロックチェーンも完璧ではありません。
- マイニングの難易度・コスト上昇でマイナーの撤退
- ビットコインが発行上限に達してマイニング報酬が無くなる
- 「①+②」が起きると、不正を狙った51%攻撃が起き易くなる
ビットコインは「信頼性」がブロックチェーンと技術で担保されているからこそ、価値があります。
ですが、その仕組みが成立しなくなり、信頼性が担保されなくなるとビットコインの価値が無くなります。もしこれが実現すると、ラストデイに繋がることでしょう。
下記で3つのシナリオを解説します。
その①:マイニングの難易度・コスト上昇でマイナーの撤退
1つ目が『ビットコインのマイニングの難易度とコストの上昇でマイナーの撤退が相次ぎ、システムが不安定になる』ことで、ラストデイに繋がるケースです。
過去に「ビットコインのシステム懸念→価格の暴落」が起きたケースはあります。
まず前提として、ビットコインは世界中でマイニングと呼ばれる難易度の高い承認作業を行う個人や事業者が多くいるからこそ、システムだけで安定的に稼働できます。管理者はいません。
マイニングの計算処理を1番最初に解いた人は、報酬としてビットコインが貰えます。マイニングはスピード勝負であるため「大量の高性能パソコン・多額の電気代・稼働環境」等の多額のコストが必要です。
「マイニング=儲かる」という認識の広まりから多くの企業が参入したことで、マイニングで稼ぐ難易度がかなり高くなっています。
そしてマイニング報酬も4年に1度のペースで半分になるという、ビットコインの特徴からマイナーは利益を出しにくくなっています。
すると「マイニングを行う人が減る→一部の事業者に委ねる→システムの安定性・信頼性が下がる→ビットコインの需要が落ちる」ことになり、ビットコインのラストデイが起こる可能性があります。
最悪のケースは、下記の「その③」で解説する51%攻撃に発展することです。
その②:ビットコインが発行上限に達してマイニング報酬が無くなる
2つ目が『ビットコインが発行上限に達してマイニング報酬が無くなる』ことがラストデイに繋がるケースです。
マイナーの数が減るとブロックチェーンの信頼性が担保されなくなり、ビットコインが無価値になる可能性があります。
ビットコインの発行枚数は最大2,100万枚と上限があり、その全ての発行が2140年に完了します。
「マイニング報酬=新規で発行されるビットコイン」です。つまり「ビットコインの新規発行が終わる=マイニング報酬がゼロになる」ため、マイニングを行う人が激減するはずです。
つまりビットコインのシステムを安定的に稼働させるにはマイニングが必要であるものの、マイニング報酬が無くなるとマイニングを続ける意味が無くなります。
2022年時点だと、ビットコインのマイニングは世界の約14,000拠点で行われており、この分散性がシステムの安定性・信頼性に繋がっています。
ですが2140年になると「マイニング報酬がゼロになる→マイナーが大幅に減る→システムの安定性・信頼性が担保できない」というシナリオが考えられ、するとビットコインのラストデイに繋がるかもしれません。
その③:不正を狙った51%攻撃の対象になる
先に解説した「①+②」が原因でマイニング事業者が減ると、不正な取引を狙った「51%攻撃」が発生するリスクが高くなります。
ビットコインは、世界中の約14,000拠点のマイナーが計算処理を行い、ネットワーク上で答え合わせをすることで、正しい承認作業が行えています。
ですが不正で間違った答えでも全体の51%以上のパソコンが同じ答えを導き出すと、それがシステム上で正しい答えとして承認されてしまいます。
ブロックチェーンは過去の取引の改ざんができないため、不正な取引データの承認や2重支払いといった不正な取引でも後で変更できません。
つまりマイナーの数が減るほど51%攻撃による不正な承認が起こる可能性が高くなるというワケです。
2022年時点で14,000以上のマイニング事業者(ノード)がおり、こちらの51%以上の処理能力を持つパソコンを用意しないと51%攻撃は成立しません。
上記の条件を満たすには「約2100万ドル(約26億円)」の膨大なコストがかかると言われています。マイニング事業者が減ると費用面のハードルも下がるため、51%攻撃が実現し易くなり、ビットコインのラストデイが引きおこる可能性が考えられます。
とは言え、これは2140年頃の話なので、今は気にしなくて大丈夫です。

ケース③:ビットコイン以上に価値を持つ仮想通貨の誕生
3つ目は『ビットコイン以上に価値を持つ仮想通貨が誕生する』ケースです。
つまりビットコインを買う・保有する理由が無くなり、ホルダーの多くが売り、価格が暴落するといった事態です。
例えば時価総額2位のイーサリアムがビットコイン以上に価値を持つ未来がくる可能性も充分にあります。
なぜならイーサリアムは成長スピードが速く、2020年には「取引で使われたイーサ(ETH)の一部をバーン(焼却)する」など、大きな変更が加えられるケースがあるからです。
バーンとは「市場に流通するイーサを消滅させ、流通量を減らす」仕組みです。市場のイーサの量が減ることで希少性が増し、価格が上がり易くなるデフレ効果があります。
そもそもビットコインが時価総額1位である理由は、下記の通りです。
- 最大発行枚数2100万枚と限りある
- 半減期により新規の発行枚数が減り続ける
- ブロックチェーン技術を生みだした
特に①と②で「市場への供給量が限定されている」ことがポイントです。希少性の高いものほど、価値が高くなりやすいですよね。
そこで、もしイーサリアムに発行上限が決められると、イーサリアムがビットコイン以上の価値を持つ可能性があると思います。
- イーサ(ETH)は発行上限なし
→ 1年で+4.5%ずつ新規で発行される - バーン(焼却)によるデフレ効果
→ 取引で使われたイーサの一部が消滅する
価格は「需要(買いたい人):供給(売りたい人+新規発行)」のバランスで決まります。
つまり「①イーサ(ETH)の発行上限なし」は、価格上昇を抑えている要素の1つです。
そこで「もしイーサリアムに発行枚数の上限が追加されたら?」と考えると「発行上限あり+バーンによるデフレ効果」により、イーサリアムがビットコインの時価総額を超える可能性もありそうですよね。
すると投資資金が「ビットコイン→イーサリアム」へ流れてビットコインの価格が大幅に下がって、ビットコインのラストデイになるといったシナリオがあるかもしれません。
イーサリアムとビットコインの違いは「 イーサリアムとビットコインの違いは?【5つのポイントで解説】 」の記事を参考にして下さいm(_ _)m
-
イーサリアムとビットコインの違いは?【5つのポイントで解説】
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上記は僕の勝手な妄想ですが、他に有望な仮想通貨の出現・成長でビットコインを超える価値の仮想通貨が生まれる可能性は充分にあると言えます。
ケース④:ブロックチェーンを超える技術が生まれる
4つ目は『ブロックチェーンを超える技術が生まれる』ケースです。
先述した通り、ビットコインの魅力は、下記の3つです。
- 最大発行枚数2100万枚と限りある
- 半減期により新規の発行枚数が減り続ける
- ブロックチェーン技術を生みだした
③は世界を変えるブロックチェーンという新しい技術を持つからこそ、ビットコインが高く評価されています。
ですが「ブロックチェーンが当たり前になり、そして衰退し、次の新しい技術が生まれた」という未来が起きると、ビットコインの価値が下がる可能性が高いです。
資金は新しい投資先へ次から次へと移動するものなので、先述した企業や大口保有者の資金がビットコインから抜け、ビットコインの価格が大きく下がる可能性も考えられます。
本記事で解説する5つのケースの中で、これがラストデイのトリガーになる可能性が最も高いと僕は考えています。
ケース⑤:その他の複合的な要因がラストデイに繋がる
最後は『その他の複合的な要因がラストデイに繋がる』ケースです。
明確にこれといった要因はないものの、ビットコインには色んな問題・リスクがあるのも事実です。
いきなりラストデイに繋がることはないですが、下記はビットコイン価格が下がる原因です。
- 大きな取引所の破綻するリスク
- ハッキングで盗まれるリスク
- 国による仮想通貨の規制
- マイニングの電力消費問題
例えば③は「ビットコインは危険」や「国内からお金が抜けている」、「国が個人の資産を把握できなくなる」などの理由から、規制する国が多いです。
実際に中国やロシアなどは仮想通貨を規制しています。
また④電力消費も近年、特に問題視されています。仮想通貨のマイニングにかかる電力量は、オランダが消費する電力量と同じと言われており、環境問題として取り上げられています。
「④電力消費問題→③国の仮想通貨の規制」に繋がりそうですよね。
ビットコインのラストデイへの2つの対策
最後にビットコインのラストデイへの対策を2つ紹介します。
対策①:大口投資家の保有状況をチェックする
1つ目の対策は『大口投資家の保有状況をチェックする』です。
ビットコインの大口保有者をまとめたサイトがあるので、そちらをチェックしておけば大丈夫です。
対策②:ウォレットからの送金状況をチェックする
2つ目の対策は『ウォレットからの送金状況をチェックする』です。
ビットコインを長期で保有する人は、取引所で保管するのではなく「コールドウォレット」で保管する人が多いです。
このコールドウォレットの特徴は、下記の通りです。
- インターネットに接続しないウォレット
- ハッキング・ウイルスのリスクが低い
つまりビットコインのセキュリティリスクを下げて、安全に保管するために使うウォレットです。
コールドウォレットでビットコインを保管していたビットコインを売却するには「コールドウォレット→取引所」へビットコインを送金する必要があります。
この送金履歴はネット上に全て公開されているため、誰でも確認できます。
例えば「大量のビットコインがコールドウォレットから取引所へ送金された」などを知ると、ビットコインのラストデイの予兆を知ることができますよね。
Twitterで「Whale Alert( @whale_alert )」をフォローしておくと、ビットコインの送金情報が分かります。
【まとめ】ビットコインのラストデイはしばらく気にせずOK
最後に記事をまとめます。
ビットコインのラストデイが起こる可能性はあるものの、現時点では気にする必要はありません。
- 大口保有者の売りでビットコインが暴落する
- マイナー消滅によるビットコインの不安定化
- ビットコイン以上に価値を持つ仮想通貨の誕生
- ブロックチェーンを超える技術が生まれる
- その他の複合的な要因
なぜなら上位1%の大量保有者がビットコインを売却すればラストデイが起こりますが、そんなことしても誰も得しないからです。
実現しそうなものだと「②・③・④」が将来的に起きる可能性はあるものの、しばらくは大丈夫そうですよね。
僕は「ビットコインは1億円になる」と信じており、気になる人は下記の記事を参考にしてくださいm(_ _)m
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